DIARY

2009.6.22(月) 

HOT STARTER 09の全体リハーサルが始まった。いやーやっぱりカッコイ
イ!いまのところ狙い通り進んでいる。そうそう、そういえばこういうバン
ドだったじゃん!という感じ。なんだこの80'sの香りは。すごい新鮮だし、
まるで新しいバンドを始めたみたいだ。初心に返るテーマは実際にバンドで
音を出してみて、思ってた以上に、サウンドに、ムードに如実に表れていて
自分でも驚いている。ギター2本の4人バンドの編成は、オリジナル・ラヴ
の個性を、実は一番主張できる編成なのだと思った。仲間と集まって音楽を
セッションすることがやっぱりぼくは一番好きだな。面白いライヴになりそ
うです。とか言って期待をあおればプレッシャーなのですが、まあ頑張りま
す!

2009.6.18(木)    

ツアーがいよいよ迫ってきた。毎日練習していてすこし眠い。
HOT STARTER 09 は6 月28 日からスタートします。渋谷クラブクアト
ロのチケットはおかげさまでソールドアウトになりました。みなさんありが
とうございます!一生懸命やります!
さっき「初期のRCサクセション」をバスの中で iPod で聴いていて笑っち
まった。きっとまわりのお客さんに聞かれたな。清志郎さんの「ジョーク」、
「軽み」がうらやましい。テレビでいっしょに共演した時、ぼくはただ一生
懸命歌っていたが、清志郎さんは一生懸命歌いながら、一生懸命ふざけても
いた。
清志郎さんの自転車くらい深く、ぼくはオートバイにハマれるのか。オー
トバイに興味を持ってから、やがて自転車に興味を持つのではないかという
予感がずっとしているが。
二輪車と詩は、ひとり考え、ひとり頷く面白さを知った者にとっての、身
近な道具のようなモノだ。

2009.6.12(金) 

ぼくはピチカートファイブに参加するまで、譜面を書いたことがなかった。
その前まで、オリジナル・ラヴでバンド練習するときには、デモテープを作っ
てメンバーに聴いてもらい、演奏の仕方や構成などはしゃべって伝えていた。
コードネームもろくに知らなかったのだが、ただ和音の名前を知らなかっただ
けで、ポップスやジャズで使われるほとんどの和音は知っていた。ピチカート
ファイブに参加して、簡単でもいいから構成譜ぐらいないと、レコーディング
という作業にかなり支障をきたすということを知り、身の回りにいたセッショ
ンミュージシャンの人たちから構成譜の書き方を教わった。その人たちの教え
方は多分良かったのだろうが、自分の憶え方が悪かったため、今でもぼくのコ
ードネームの書き方は間違っているところがあるのだが、バンドで練習するに
は支障を来さない程度なのでそのままになったいる。
当時ぼくの身の回りにいたセッションミュージシャンから、おまえの曲は、
コードネームにいっぱい数字が書いてあって、いちいち小難しいテンションコ
ードが入っていて、すげえ演奏しずらいとよく言われた。ぼくは高校時代、マ
イルス・デイヴィスなどのジャズやドビュッシー、ガーシュウィンなどのクラ
ッシックから聴こえてくる和音が好きで、ピアノは弾けなかったし身の回りに
なかったのでギターでコピーして、自分の曲に当てはめていた。いわばぼくの
曲は、ビートルズであったり、パンク・ニューウェーブのギターバンドの楽曲
に、ジャズのテンションコードを半ば無理矢理押し込めたような曲調だった。
当時、XTCというイギリスのバンドがそういう曲の作り方をしていて、ぼくは
このバンドの大ファンで、真似をしたかったのだが、なかなかああいう風には
ならず、なんとも言えない曲調になっていた。
 ピチカートファイブに入ってぼくは突然、一流スタジオミュージシャンにデ
ィレクションをしなければならなくなった。このあいだ楽譜の書き方を初めて
知ったような小僧が、ベテランのミュージシャンに指図するのは難しかった。
ピチカートファイブのレコーディング現場では、基本的に曲を作った人がその
曲のプロデューサーであり、その場を仕切らなければならないというようなや
り方だった。それまでギターバンドの楽曲しか作ったことのなかった自分が、
ピアノやパーカッション、ホーンセクション、オーケストレーションのイメー
ジを持たなければならなかったので、大変だったが、小西さんや慶太郎さん、
アレンジャーの長谷川さん、ディレクターのマイケルが手伝ってくれて、なん
とか付いてゆくことができた。
「夜をぶっ飛ばせ」はオリジナル・ラヴがライヴハウスでやっていた曲だっ
たが、この曲をピチカートファイヴでやろうということになり、歌詞を小西さ
んが書いてレコーディングした。前にも書いたかもしれないが、この曲で初め
てぼくはホーンセクションのアレンジをして、この時のことは今でもはっきり
憶えているほど印象深い体験だった。当時カーティス・メイフィールドの音楽
に出会ったばかりだったぼくは、この曲にカーティスのようなホーンセクショ
ンを入れたいと思い、小西さんに相談すると「田島君自分でアレンジしてみな
よ。ドン・セベスキーのアレンジ本に音域とか書いてあるからさ。大丈夫、田
島君ならきっと出来るよ。それじゃあねー。」と言って帰ってしまった。当時
ぼくはトランペットとテナーサックスは B フラットに移調して記譜しなければ
ならず、トロンボーンはヘ音記号で書かなければならないことさえ知らなかっ
た。まして、オタマジャクシなど、ほとんど読みもしなければ書いたこともな
かったので、「夜をぶっ飛ばせ」ともう一曲、計2曲のホーンセクションのレ
コーディングが次の日の13時からに迫った前日の午後7時から、ぼくはスタ
ジオに泊まり込んで死にものぐるいになった。朝方の5時をまわった時点で、
もう駄目だ、あきらめようと思ったのだが、根性で持ち直し、レコーディング
スタートの一時間前にようやくできあがった。その後30分くらい寝て、レコ
ーディングが始まった。初めて書いたぼくのホーンセクションの譜面が、あま
りにも間違いだらけだったので、トランペットの数原さんとサックスのジェイ
クさんは笑っていた。「おい、これはどういうふうに吹くんだ、ちょっと口で
やってみ」とリーダーの数原さんに言われて、ぼくが「テレレレッテッテーテ
ーテ、テレレレッテッ、です!」と言ったら、「オッケー」と言って数原さん
はなにやらサックスとトロンボーンの人と打ち合わせをし、演奏が始まるとも
う完璧なのだった。つまり徹夜して書いたぼくの譜面はさっぱり使い物になら
なかったのだが、レコーディングはばっちりだった。数原さんのホーンセクシ
ョンはその後も何度かぼくのレコーディングを救ってくれた。素晴らしいプレ
イヤーだ。
それ以降、オリジナル・ラヴの全部のアルバムの、6、4、2、2 のストリン
グスオーケスラやホーンセクションなど、ほとんど全部のアレンジを、プロデ
ューサーやアレンジャーは立てず、ぼく自身がやってきた。それは、あのとき
小西さんが「田島君大丈夫。自分でアレンジ出来るよ。じゃあねー。」となん
の根拠もないような感じでぼくに言って帰ってしまったから、やれるようにな
ったんじゃないかなと思うんだな。

 


2009.5.19(火)  

好きな音楽を「たどって」聴いてみたことはあるかな。例えばビートルズの
メンバーはどんな音楽を聴いていたのか。ビートルズの音楽にはたくさんの音
楽の影響が感じられるけれど、ロックンロールだったらリトル・リチャード、
エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリーなど。じゃあそのロックン・ロー
ルの創始者と言われるチャック・ベリーはどうだったろう?ぼくがおぼろげに
憶えているのは確か「ヘイルヘイルロックンロール」という映画のなかで、チ
ャックが自身の音楽について、ヒルビリーとか云われるようなカントリーミュ
ージック、コンボスタイルのジャズ、そして南部のブルースをミックスさせた
ものだ、と言っていたのを記憶している。
チャック・ベリーはシンガー・ソング・ライターの最初の人だといういわれ
方をすることがある。チャック・ベリー以前までポピュラー・ミュージックは、
歌詞を作詞家が書き、曲を作曲家が書き、シンガーが歌を歌い、アレンジャー
がアレンジをするという分業制だった。チャック・ベリーは自分で作詞をし曲
を書いた。チャックの歌詞は、女の子をキャデラックに乗せて最高の気分だ、
というような、たわいもない内容の歌詞なのだけれども、どこか妙にかっこい
いセンスが感じられる。「ニクい」かんじなんだ。その後のポピュラーミュー
ジックの先駆けのような曲なんだ。
当時はロックの基本ビートである8ビートが存在していなかった。ポピュラ
ーミュージックはみなスイングビートだった。このスイングビートにチャック
ベリーが不思議なビートをギターで刻んだ。それが8ビートだった。ところが
バックのミュージシャンはスイングビートでしか演奏できなかったので、チャ
ックの8ビートとバックミュージシャンのスイングビートが混ざり合い、妙な
ポリリズムとなった。
そしてドラムも8ビートを刻む、リトル・リチャードの「ルシール」という
曲がヒットした。このドラムを叩いていたのがアール・パーマーというニュー
オーリンズのジャズドラマーだった。アール・パーマーはサム・クックの「シ
ャウト」とかエディ・コクランの「サムシング・エルス」など、当時の名曲を
驚くほどいっぱい演奏している。
ロック、ポップスを「たどって」聴いてゆくと、ロック、ポップスの、どう
いう部分がかっこいいのか、どういう部分がクリエイティブなのかが、少しず
つ浮かび上がってくる。

「ロックな・・・」という言い方を昨今の世間で聞くときがあって、そうい
うときその「ロック」という言葉の意味するものが、「怒っている」とか「気
合い」とか「力んだ生き様」、「過激な生き様」みたいになっていることがあ
るのだけど、ぼくは本来「ロック」とか「ロックンロール」の意味するのは、
「踊れて、ニクいセンスをもった音楽」なんだと思う。キース・リチャーズが、
なにかのインタビューでたしか、ロックっていうのは言葉通り「揺れる」、か
らだが揺れる、つまり、つい踊りだしてしまうようなダンサブルなビートを打
つ音楽、スイングする音楽のことだ、と言っていた記憶がある。
それでも、「ロックンロール」という言葉のムードの中に、多少「反骨的な」
という意味がありそうに感じられるのは、きっと「ロックンロール」 がアメリ
カの黒人達がやっていた音楽をベースにしているからなんだろうと思われる。

2009.5.26(火)  

久しぶりにモノクローム・セットというバンドを聴いて感動した。モノクロ
ーム・セットは、ぼくがオリジナル・ラヴの前身バンド、ザ・レッド・カーテ
ンを始めた頃、サウンドが似ていると言われて聴き始めたバンドだ。
レッド・カーテンを始める以前、ぼくは一人で4トラックカセットレコーダ
ーを使ってデモテープをずっと作っていて、高校三年から大学一年の終わりく
らいまでに書いた曲を一、二本のカセットにまとめて、大学で知り合った友達
に聴いてもらった。これをバンドでやろうと言ってくれたのがベースの小里君
だった。そして高校時代から付き合いがあったジャズ、プログレ好きのドラマ
ーの秋山さんと3人でレッド・カーテンは始まった。練習を一、二回やったと
ころで、もう一人ギターリストが必要だってことで小里君の高校時代からの友
人、村山君がギターエフェクターをいっぱい抱えてスタジオにやってきた。
ぼくのデモテープを聴いてすぐにモノクローム・セットみたいだと言ったの
は小里君だった。ぼくは当時モノクローム・セットというバンドは聴いたこと
がなかった。ぼくは自分のやっている音楽は、郡山のレンタルレコード屋に置
いてあったアーティスト達の音楽、例えば、キュアー、エコー・アンド・ザ・
バニーメン、XTC、P.I.L.、ベン・ワット、アズテックカメラ、リップ・リグ・
パニック、ピッグ・バッグ、ジョイ・デヴィジョン、バウハウス、トーキング
・ヘッズ、ドゥルッティー・コラム、B-52's、スウェル・マップス、フェルト、
ギャング・オブ・フォー、JAPAN、ジョー・ボクサーズ、ジ・アラーム、初期
のU2、ブライアン・イーノ、クロード・ドビュッシー、エリック・サティ、オ
リヴィエ・メシアン、ビートルズ、ラウンジ・リザースなどに影響を受けてい
たかも知れないが、そこに置いてなかったモノクローム・セット、フィーリー
ズ、テレヴィション、シド・バレットがいたピンクフロイド、トッド・ラング
レンなどの音楽は知らなかった。
モノクローム・セットを初めて聴いたときは、よく分からなかった。なんか
へたくそな演奏だなという印象だった。モノクローム・セットがお洒落だと感
じるほど、自分のセンスは洗練されていなかった。しかし小里君に影響されて
何度も聴いてゆくうちに次第に好きになっていった。
モノクローム・セットの音楽は、低予算で俳優も下手でバイオレンスもサス
ペンスもちゃっちくて編集も雑なんだけれども、脚本だけは素晴らしい映画を
観ているような感じだ。極力飾り気を排したアレンジ、演奏は頼り無くて下手。
でも楽曲のクオリティと、やっていることのセンスはピカイチだ。かっこいい
んだなあ。しかし、ああいった A級の音楽と B級の音楽をきわどいセンスで統
合して形にしながらも、メジャーなものに仕立て上げる、映画で言えばクエン
ティン・タランティーノみたいな強い総合的なプロデュース力は、彼らにはな
かったし、そういった才能あるプロデューサーに出会う機会もなかったんだろ
うな。彼らには上昇志向も欲張りな感じもあまりしなくて、そこが音楽性に表
れていて純粋な感じがするのだけれども、反対にそのために、なにか惜しい感
じがするバンドなんだな。

2009.5.21(木)

昨日ファミレスにいたら、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ
の「モーニン」が小さい音でかかって、ぐっと聴き入ってしまった。この曲は
ぼくが十代の頃から大好きな曲だったけれど、何年かぶりに聴いたら、以前と
は各プレイヤーのソロがぜんぜん違って聴こえた。とにかく各プレイヤーのア
ドリブソロがめちゃくちゃご機嫌でノリノリの演奏をしているということが分
かった。トランペットのリー・モーガンもテナーサックスのベニー・ゴルソン
もピアノのボビー・ティモンズも最高。曲が後半にさしかかる頃には、ファミ
レスであるにもかかわらず、いまにも踊りだしそうになるほど足でリズムを取
っていた。
二十歳くらいの頃は、サックスは吹いたことがないしトランペットは触った
ことすらなくピアノもほとんど弾いたことがなかった。いまもそれらの楽器を
一人前に演奏できるレベルではまったくないが、多少かじった経験はある。楽
器を触った経験が、モーニンというジャズの名曲を、ぼくに違って聴こえさせ
たのだろうな。
ジャズは、スポーツなどの「競技」に近い特徴をそなえた音楽なんじゃない
かな。野球をやるみたいに、管楽器演奏が身近な遊びになればいいのにな。
そして車の中で久しぶりにチャック・ベリーを聴いた。やっぱり最高!キー
ス・リチャーズが尊敬するギタリストだというのもうなずける。すごいグルー
ヴなんだよな。ギターの弦はひょっとしたらすこし太い弦を張っていたのでは
ないかと思われる。太い弦をギューンとチョーキングできる指の力。強いグル
ーヴを発生させる歌!いやー、車の中でノッてしまったよ!

2009.5.21(木)

昨日ファミレスにいたら、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ
の「モーニン」が小さい音でかかって、ぐっと聴き入ってしまった。この曲は
ぼくが十代の頃から大好きな曲だったけれど、何年かぶりに聴いたら、以前と
は各プレイヤーのソロがぜんぜん違って聴こえた。とにかく各プレイヤーのア
ドリブソロがめちゃくちゃご機嫌でノリノリの演奏をしているということが分
かった。トランペットのリー・モーガンもテナーサックスのベニー・ゴルソン
もピアノのボビー・ティモンズも最高。曲が後半にさしかかる頃には、ファミ
レスであるにもかかわらず、いまにも踊りだしそうになるほど足でリズムを取
っていた。
二十歳くらいの頃は、サックスは吹いたことがないしトランペットは触った
ことすらなくピアノもほとんど弾いたことがなかった。いまもそれらの楽器を
一人前に演奏できるレベルではまったくないが、多少かじった経験はある。楽
器を触った経験が、モーニンというジャズの名曲を、ぼくに違って聴こえさせ
たのだろうな。
ジャズは、スポーツなどの「競技」に近い特徴をそなえた音楽なんじゃない
かな。野球をやるみたいに、管楽器演奏が身近な遊びになればいいのにな。
そして車の中で久しぶりにチャック・ベリーを聴いた。やっぱり最高!キー
ス・リチャーズが尊敬するギタリストだというのもうなずける。すごいグルー
ヴなんだよな。ギターの弦はひょっとしたらすこし太い弦を張っていたのでは
ないかと思われる。太い弦をギューンとチョーキングできる指の力。強いグル
ーヴを発生させる歌!いやー、車の中でノッてしまったよ!

2009.5.19(火)  

好きな音楽を「たどって」聴いてみたことはあるかな。例えばビートルズの
メンバーはどんな音楽を聴いていたのか。ビートルズの音楽にはたくさんの音
楽の影響が感じられるけれど、ロックンロールだったらリトル・リチャード、
エルヴィス・プレスリー、チャック・ベリーなど。じゃあそのロックン・ロー
ルの創始者と言われるチャック・ベリーはどうだったろう?ぼくがおぼろげに
憶えているのは確か「ヘイルヘイルロックンロール」という映画のなかで、チ
ャックが自身の音楽について、ヒルビリーとか云われるようなカントリーミュ
ージック、コンボスタイルのジャズ、そして南部のブルースをミックスさせた
ものだ、と言っていたのを記憶している。
チャック・ベリーはシンガー・ソング・ライターの最初の人だといういわれ
方をすることがある。チャック・ベリー以前までポピュラー・ミュージックは、
歌詞を作詞家が書き、曲を作曲家が書き、シンガーが歌を歌い、アレンジャー
がアレンジをするという分業制だった。チャック・ベリーは自分で作詞をし曲
を書いた。チャックの歌詞は、女の子をキャデラックに乗せて最高の気分だ、
というような、たわいもない内容の歌詞なのだけれども、どこか妙にかっこい
いセンスが感じられる。「ニクい」かんじなんだ。その後のポピュラーミュー
ジックの先駆けのような曲なんだ。
当時はロックの基本ビートである8ビートが存在していなかった。ポピュラ
ーミュージックはみなスイングビートだった。このスイングビートにチャック
ベリーが不思議なビートをギターで刻んだ。それが8ビートだった。ところが
バックのミュージシャンはスイングビートでしか演奏できなかったので、チャ
ックの8ビートとバックミュージシャンのスイングビートが混ざり合い、妙な
ポリリズムとなった。
そしてドラムも8ビートを刻む、リトル・リチャードの「ルシール」という
曲がヒットした。このドラムを叩いていたのがアール・パーマーというニュー
オーリンズのジャズドラマーだった。アール・パーマーはサム・クックの「シ
ャウト」とかエディ・コクランの「サムシング・エルス」など、当時の名曲を
驚くほどいっぱい演奏している。
ロック、ポップスを「たどって」聴いてゆくと、ロック、ポップスの、どう
いう部分がかっこいいのか、どういう部分がクリエイティブなのかが、少しず
つ浮かび上がってくる。

「ロックな・・・」という言い方を昨今の世間で聞くときがあって、そうい
うときその「ロック」という言葉の意味するものが、「怒っている」とか「気
合い」とか「力んだ生き様」、「過激な生き様」みたいになっていることがあ
るのだけど、ぼくは本来「ロック」とか「ロックンロール」の意味するのは、
「踊れて、ニクいセンスをもった音楽」なんだと思う。キース・リチャーズが、
なにかのインタビューでたしか、ロックっていうのは言葉通り「揺れる」、か
らだが揺れる、つまり、つい踊りだしてしまうようなダンサブルなビートを打
つ音楽、スイングする音楽のことだ、と言っていた記憶がある。
それでも、「ロックンロール」という言葉のムードの中に、多少「反骨的な」
という意味がありそうに感じられるのは、きっと「ロックンロール」 がアメリ
カの黒人達がやっていた音楽をベースにしているからなんだろうと思われる。

 


2009.3.3(火) 

今日の朝は Feist のアルバム "Let It Die" を聴いてきた。いいアルバムだな。
最近はいい女性シンガーソングライターがいっぱいいるな。男性アーティスト
に比べてメロディと歌を大事にして曲を書こうとするアーティストが多い。ビ
ョークの影響を感じる。男性アーティストは、ロックだぜパンクだぜ度、とか、
捻くれ度、とか、サウンドの細かいところのこだわり度、には力が入っている
けれど、メロディと歌はまあ雰囲気で、みたいなアーティストが多い。
このあいだ木暮に会ったときに教えてもらった Animal Collective もそんな
感じなんだけれど、すこしハマってきたな。最初木暮に聴かせてもらったとき
はピンとこなかったのが、彼らのビデオを見たりしているうちになんかいい感
じに聴こえてきた。木暮は、しきりにサイケだと言っていたけれど、60、7
0年代の西海岸サイケデリックロック、フォークロックのような雰囲気もあり
つつ、シルバーアップルズやスーサイド、そしてエイモンデュールのようなジ
ャーマンプログレッシヴの影響も感じられる。なぜ8分の6拍子に彼らがこだ
わるのか分からないが、面白い音楽だな。
ちょっと前にスタッフがぼくに推していた MGMTも彼らのミュージックビデ
オを見て以来気に入っている。80年代の音楽をいい感じにひねくれて解釈し
ていてかっこいいな。ヴィジュアルがかっこいい。
調べると世の中にはいろいろいい音楽があるみたいなんだけど、なかなか見
つけるのが難しい。以前のようにワールドスタンダードとなるようなチャート
が無いような状況だからだ。ぼくなんかよりも時代にマッチしている木暮は、
国内外のレコードCDセレクトショップで推しているアーティストを検索して調
べて買っているみたいだ。音楽もついに検索して買う時代になったのかな。そ
れにしてもAnimal CollectiveやMGMTのようなグループは、ぼくが高校時代聴
いていた80年代初頭のニューウェーブミュージックの馨りがする。新しいけ
れど、すこし懐かしい感じがする。

2009.2.11(水) 

Lily Allenのファーストアルバムを聴きながら書いている。エレポップ風も
ありのセカンドアルバムが最近よくレコ屋に面だしされていてこの人のこと
を今頃やっと知ったのだけど、このセカンドアルバムももちろんいいんだけ
ど、ファーストはもっと気に入った。「ビッグ・チーフ」ドクター・ジョン
・バージョンみたいなヒップホップがあったり、昔のボードヴィル音楽みた
いな曲もあったり、モッズっぽくスペシャルズのカバーをしてみたり、要所
要所に西インド諸島の雰囲気もあって、この人はイギリス人かフランス人か
知らないけど、かなりおしゃれな女の子だね。幅広いジャンルに渡った音楽
マニアなんだろうけれど、めちゃくちゃにならずにちゃんとアルバムのトー
タルバランスが取れていて凄いな。
iPodのCMでたくさん流れてたFeistの"1234"という曲の入った“TheRem
inder"というアルバムもよかった。"1234”だけじゃなくてほかにもいっぱ
いいい曲があった。歌がとてもいい。アコギを弾きながら歌う女の子だと思
うんだけど、アコギのリズムが女性らしい柔らかいグルーヴを作っていてい
いんだな。
昔の日本の歌謡曲を聴いたり、最近の海外のポップスを聴いたりすると、
頭の中が忙しくなった感じがしていいな。


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