DIARY

2009.8.10(月)

今日は生憎の天気だけど、天気のよかった先週末、海ヘ行った。海面にクラゲみ
たいに仰向けに浮かんで、山のように盛り上がる波のハンモックのなかから太陽と
空を仰いだ。突如クロールし、海に腕を鋭く投げ込めば、泡の直列がゆるやかに乱
れていった。海と山に遊んで、またコンピューターの前に帰ってきた。
ぼくの曲は生楽器を多く使うから、作曲はほとんどギターとか生楽器を弾いてそ
れだけで曲作りをすると思われがちだけれど、実はコンピューター、シーケンサー
を高校生の頃からずっと使って曲を作ってきた。コンピューター、シーケンサー使
用歴はけっこう長い。
コンピューターが、曲を作るための道具から、インターネットする道具にもなっ
た1998、99年頃から、いろんなものが具体的に変わった実感がある。これからも
っと変わってゆくのかもしれない。
大好きな海の感触は子供の頃からちっとも変わっていないが、コンピューターや
ポップスの環境は変わった。変わったものと、変わらないものについて、よく思い
をめぐらす今日この頃だ。



2009.2.12(木)

今日はにらめっこの日だな。歌詞を書こうとしてノートとにらめっこ。曲を
作ろうとしてギターとにらめっこ。こういうときこそなんでもいいから、とに
かく一つメロディなり言葉なりを書き出すのが肝心だ。だからなんとかひねり
出した。サッカーの試合で、ゴールが決まらなくても、シュートで終われば良
いみたいな感じかな。なんでもいいから、空振り三振でもいいから、とにかく
バットを振ってみる感じかな。少しずつペースを作って行くんだな。だから今
日は野球の試合はせずに、素振りだけして終わったみたいな一日だったな。素
振りしにアトリエに行ったような一日だった。明日は打席に立たなくちゃな。
ぼくは、歌詞を書くのが下手だと自分で思っているのだけれども、下手な歌
詞を書いていて最近思うのは、歌詞作りの段階に、固い段階、集める段階、柔
らかい段階、そしてもういちど固い段階、というのがあるような気がするんだ
な。
最初に歌詞を書こうとする段階が固い段階。ものすごくはっきりとした閃き
がある場合を除いて、頭とか気持ちとかがまだ柔軟体操をしていないから発想
も気持ちも固い感じなんだ。この段階では、方向性や大まかな構図を考えたり
する。
次に集める段階。集める段階は発想や気持ちを広げていっていろいろな言葉
の燃料を集める段階。
柔らかい段階は、実際に歌詞を組み上げていく段階。このとき、歌詞は、ま
だ言葉がどんどん変わっていく流動的で柔らかい状態だからいろいろ変化して
ゆく。
そしてもう一度固い段階っていうのは、歌詞ができあがってきて表現の仕方
が決まってきて代え難くなってくる段階。表現が決まってきて全体のバランス
が取れ、歌詞が固くなってくるぶん、下手に表現を換えると壊れてしまう。壊
れたらまた一つ前の段階に戻ったり、最初の段階に戻ったりする。
ぼくが歌詞を書くときは、これらの段階を行ったり来たりする、なんかそう
いう過程があるような感じなんだな。

2009.1.20(火) 

ギターは探知機だ。ぼくはギターという探知機を使っていま作りかけの曲に
青い鳥が舞い込んできているか分かるのだ。今日の午前中、青い鳥が作りかけ
の曲から逃げ出してしまったのだが、夕方、幸運にも舞い戻ってきた。急いで
スキャットしデッサンする。曲の輪郭の半分まで書いたところでまたどこかへ
飛び去ってしまった。ぼくに気まぐれな鳥をいつまでも引き止めておく力はな
い。だからぼんやりとギターを弾く時間が多いんだ。 

歌を作るのに絶対楽器が必要だということはない。メロディを口ずさんでも
いいし、頭の中で組み立ててもよい。歌作りはアトリエなどの部屋のなかでな
くても、どこでも出来る。むしろ曲や歌詞のアイデアは部屋のなかよりも移動
中のほうが浮かんでくることが多い。だからぼくはアトリエに来る方法に幾つ
かのバリエーションを持っている。今日はバスで、昨日は電車で、ある時はバ
イクで、ある時は車で。
アトリエは作業場、仕事場である。本来、アイデアを出す場所ではない。ア
イデアを組み立てる場所だ。
種田山頭火や松尾芭蕉が、なぜあれほど当時大変だったであろう旅に出なけ
ればならなかったのか、ぼくは知識としては知らないけれども、予想ではおそ
らく、アイデアを求めて旅に出たのだ。句を作るには人の琴線を風にさらさな
くてはならない。心を風にさらすには移動しなければならない。移動する列車
の窓を開け、琴線を風にあてれば、音が鳴る。アイデアは一種のバイブレーシ
ョンだから、人の琴線が振動すればその人の音色のようにアイデアは奏でられ
る。だから歌作りは「仕事」よりも「旅」に近いのかもしれない。旅してアイ
デアを探す人の感性は楽器のようなものかもしれない。


2009.1.8(木)

ギターをいっぱい弾いていたら音楽がキュビズムの絵のように見えた。ぼく
の眼は昆虫のような複眼になって、メロディーの多面体を眺めていた。ギター
はブラックの絵のような、バラバラの角度をもった曲を奏で、ぼくはスキャッ
トを続けた。音楽はなかなか返事をくれなかったけれど、一瞬の隙を見ていく
つかの小さなメロディーをかすめ取った。

2008.11.05(水)

今日は前に作りかけた曲の良さそうなサビが思いついたので試してみ
た。
僕はいつもビートルズがやってたようなAメロがあってBメロがあっ
てサビがあるというポップスの基本形をそのままやっている。それ以外
の曲の構成もあるが、僕はこの大衆音楽の「型」が好きだ。僕にとって
「Aメロ、Bメロ、サビ」は、俳句の5、7、5みたいなものだな。
「はじめに言葉ありき」じゃないけど僕が曲を作る時は「はじめにリ
ズムありき」だ。ギターやピアノで曲を作る場合も、ある程度テンポや
リズムのムードがあったほうが曲が出来上がってきやすい。メロディア
スなバラードも、実はリズムから先に作ったという場合が結構ある。
複雑なゴージャスなメロディよりも、そぎ落とされたシンプルな良い
メロディを書きたいといつも思っている。なんでもそうだと思うけど、
シンプルであればあるほど、それを作るのはとてもとても難しい。曲を
作る途中段階にアイデアは幾つも出て方向性は枝分かれしてゆくが、そ
れらをそぎ落として一つの方向に持って行くのが難しい。
「イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ」は、4コマ漫画の「起、承、転、
結」に対応しているように思える。「Bメロ」は「転」だ。イントロ、A
メロと続いた曲が転回する地点だ。
サビのことをリフレインとも言う。誰が発明したのか知らないけれど、
このリフレインがある音楽が僕は好きなんだ。リフレインがうまくいけ
ば曲はほとんどうまく行ったようなものだ。僕の場合、Aメロ、Bメロが
一瞬のうちに出来たけれども、そのリフレインは一年後に思いついた、
という曲も恥ずかしながら過去にあったりするんだな。

2008.10.31(金)  

寝覚めに一曲浮かんだ。久しぶりに曲の頭からコーラスまで一気に。
そのままアトリエで形にしたが、良い曲なのかどうかまだ分からない。
もう少し放っておいて頭を冷やしてからもう一度聴いて、スタッフにも
聴いてもらおう。
トランペットがまた吹けなくなってしまった。本当に思わせぶりな楽
器だ。楽に高い音が出たと思って調子に乗ってると、またいつのまにか
悪い吹き方に戻っている。唇が腫れたのでしばらく吹くのはおやすみ。
何年やっても上手く吹けない。やっぱり独学では難しい楽器だな。
上着を一枚羽織る。温かい珈琲を飲む。11月になろうとしている。
山に行けば、森が紅くなって秋を知らせてくれるが、最近街の景色は夏
も冬もあまり変わらなくなってきた。だから風邪を引く大人が多いんだ
なきっと。

2008.10.22(水)  

ひさしぶりに夜中までネバって曲を作った。頑張ってネバっても無駄
な時間になってしまうことが多いのだが、今夜は曲想の樹海にかすかな
出口の気配があるような気がしたんだけどな。
当事者と傍観者ってことで日記を書こうとしたんだけど、今日は疲れて
挫折しちゃった。そのうち書くかもしれないし、書かないかもしれない。

2008.09.18(木)

 
   

先週は、気に入っていた曲の続きがなかなか決まらず、4パターンの
続きを考えて、昨日さらに5パターン目を試して、スタッフに聞いても
らうと、まあまあの出来なんだけどもっといいのがありそうだというこ
とでとりあえずいったんしばらく曲を放っておくことにした。この曲を
忘れた頃にいいアイデアが浮かぶかも知れない。今日は前に作りかけた
曲にコーラスの違うアイデアを試してみた。
深夜2時、9月の夜風が窓のカーテンを膨らませ、眠くなってほてっ
た顔を冷まして通り過ぎ、反対側の窓の向こうへ吹き抜ける。


2008.09.08(月)

寝起きに浮かぶメロディ。曲のきっかけ、アイデアが閃くのは、寝起
きの時間が多い。目が覚めて慌ててギターを手に取ってテープに録音す
る。アトリエでは、楽器やシーケンサーなどの道具を使ってそのアイデ
アを膨らましたりアレンジを試したりという、実際の作業をやってい
る。寝起き、夢うつつの中で曲を考えるのが一番自由で捕われた感じの
ない発想ができると僕は思う。夢のストーリーってデタラメで唐突なん
だけれども、あのデタラメさ、唐突さが曲作りの発想の中でとても重要
なスパイスになるんだ。起きている昼間、とくに午後は、テレビやイン
ターネットやラジオとかの影響もあるのかどうか知らないけれども、ど
うしても外の情報、日常生活のルーティンな思考パターンだとか、自分
の過去に聴いた曲だとか曲を書いた時の経験なんかに発想が捕えられや
すくなっている。
ポール・マッカートニーが夢で「イエスタデイ」を作ったと言ってい
たけれども、分かるような気がする。朝、寝起きの夢うつつの状態、頭
の中で音符や和音が視覚化されてなにかの物体のように思える時があ
る。これをブロックのようにいろいろ組み合わせ、メロディを作ってゆ
ける時がある。強いメロディができた場合、時間が経っても忘れないの
で、テープにとる必要もないくらいなんだ

2006.03.27(月) 

久々の曲作り、な かなか勘が戻らない。ピアノをいじったりギターを弾いたりして、メロディを探した。いくつかのボツになるであろうメロディの断片ができた。このメロが頭の中でループしてひとりでに発展していけばしめたものだが、しょっちゅうそうなるわけでもないし、まだ今の段階では善し悪しが分からない。ここで僕がもしポールなら、ジョンが、ここはいいけどまだここがいまいちだね、とかアドバイスをしてくれるわけだ。そういうパートナーがいる人がうらやましく思うときも過去にあったが、そうじゃない人生を歩んだ僕は、i Podに録音して明日のオレに判断をゆだねた。明日のオレが僕の作曲のパートナーだ。たまに、明日のオレも来週のオレも、その曲に関してよく分からないままの時もある。そういうとき、半年後のオレとか、一年後のオレが判断して出来上がった曲も過去にあった。かと思えば、3分で最初から最後まで出来上がってしまうこともあった。

曲作りにはマジックやドラマがあると今でも信じていたい。ところが、曲の作り方は一日作っていないとすぐに忘れてしまう。いっつもビギナーみたいなもんだ。13歳からポップスを作り始めて今まで、長いこと曲作りをし過ぎて、曲作りが好きなのか嫌いなのかも忘れてしまった。しかし曲作りは僕の仕事だ。左官屋さんが毎日壁を塗るように、トンカツ屋さんが毎日おいしいトンカツを揚げるように、曲作りをしていたいものだ 。


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