DIARY

2008.08.25(月)

久々にツーリングに行こうと思っていたのだが、前日のモトクロスの
疲労が堪えて寝坊した。雨雲の衛星写真を見てもひどい雨に見舞われる
予想ができたが、外はまだ曇り空だったし、お気楽に出発を決めた。昼
出発だからそんな充分にツーリングを楽しむ時間もないので、ずっと行
きたいと思っているクリスタルラインの入り口あたりを下見をしにいこ
うと思った。
中央道に乗ってしばらくすると小雨が降り始めた、石川パーキングエ
リアで雨合羽を着ようと思ったがその前に本降りになり、夏用の薄い革
ジャンを通り越して嫌な雨が素肌まで侵入した。石川パーキングエリア
でびしょぬれの革ジャンを脱いだらTシャツに革ジャンの染料が
染み込み、不細工なまだら模様になっていた。そのまま雨合羽を着て、
土砂降りの中央道を走り勝沼で降りると雨が止んだ。勝沼バイパスから
一望できる広大な盆地は明るい曇り空だったが、盆地を取り囲む山々
は、手が届きそうな低いところまで出来損ないの綿飴のような雨雲が立
ちこめ、荒々しい水墨画のような景観だ。峠道は当然ひどい霧と雨であ
ろう。
笛吹川フルーツランドからフルーツライン、ほったらかしの湯を抜け
て140号線に出るまでに少し道に迷った。山に続く誰も通らない道を
ただ進み道幅はどんどん狭くなり霧の中に突入し雨が降り出し雑草や
木っ端や石が泥でへばりついた小道をなおも行き、ついに883が
Uターンできない場所に入り込んで先をあきらめた。苦労してU
ターンし、しばらく閑散とした道をぐるぐる回ってやっと140号線に
出て、そして210号線の入り口にたどり着いた。このずっと先にクリ
スタルラインがある。210号線をしばらく上って行き、また霧の中に
入り、温かくもなく冷たくもない雨に遭ったが、しばらくすると雨雲の
上に出たのか霧が晴れて雨も止んだ。まだ行けそうな気がしたけれども
午後4時を過ぎて日が暮れそうだったし、今日はこの辺までということ
で引き返す。
塩山に出て甲州街道を帰る前にせっかくだからと柳沢峠に寄ってみ
る。晴れた休日午前中の411号線はライダーが多いが、今日は人っ子
一人いない。車さえもほとんど通らない寂しい411大菩薩ラインを
上って霧の中にバイクを旋回し雨を浴びた。ここのところの毎週のヘタ
モトクロスで、雨が降ってマディな状態のコースも経験して、すこし運
転の仕方のバリエーションも増えたので、以前だったら不安になってい
た雨の峠の運転も多少進歩したか。誰もいない柳沢峠。
このまま大菩薩ラインを奥多摩に行くこともできたが、日が暮れそう
だったので引き返し、やはり甲州街道から帰ることにした。勝沼辺りで
再びどしゃ降りになり、甲斐大和の道の駅でびしょ濡れのまま粽を食べ
たあと、笹子トンネルを抜け大月に着いた頃は日もどっぷり暮れ、車達
は路面にたまった雨をはじいてマディウォーターのカーテンを作った。
街灯のない甲州街道は対向車と後続車のハイライトの逆光が、真っ暗闇
に降りしきる銀色の雨とアスファルト表面の水鏡の凸凹に乱反射して目
を眩ませる。ブーツには雨よけをつけていなかったし、グローブも防水
じゃない薄い革のグローブだし、雨合羽はいい加減な作りの安物だった
ので、手も足も身体もびしょ濡れになっていた。びしょ濡れ運転はそん
なに堪えなかったが、暗闇の雨の道の見えにくさは嫌だった。それでも
相模原までなんとか運転して中央道に乗って大渋滞にはまったのが、楽
しいどしゃ降りツーリングのエンディングだった。

2008.08.22(金)

 「助走が大事」とよく言うけれども、曲作りにもこれは当てはまると
思うんだ。曲作りの助走がばっちりな場合、2、3分で曲ができてしま
うこともある。まあそういうラッキーなことは僕の場合、めったにな
い。助走からコケているということもしばしばだよ。曲作りの過程にお
ける助走の段階、曲を作る雰囲気にまずなって、アイデアが閃くまでの
待ち時間。助走ができたら、あとはいろいろああだこうだ試しながら力
まずに作っていけばいいんであって、その作業は楽しくもあり、波に
乗って進んでゆくものなんだ。まずその波が起きるのを待つ、波が来る
のを待つ、もしくは波を起こすのが、大変と言えば大変に感じるときも
ある。でもその大変さも、きっと面白がれないことじゃないんだ。やっ
たことないけど、なんかサーフィンみたいなものなのかね。オリンピッ
クの3段跳びのニュースを見て、そんなことを思いついたよ。

2008.08.21(木)

もう知っている人は知っていると思うんですが、オリジナル・ラヴの
新曲「スターター」が、フジテレビ日曜夜10時「サキヨミ」という番
組の主題歌になりました。曲の全体を皆さんにぜひ聴いていただきたい
のですが、もうしばらくお待ちください。最近作ったばかりの曲で、バ
ディ・ホリー調の軽快なジャングルビートで、オールディーズっぽいメ
ロディアスな曲です。タイトルはバイクのエンジンを始動させるときに
押すスイッチ、「スターター・スイッチ」から付けたよ。気持ちのエン
ジンをスタートさせたいぜ、というような意味にも取れる曲です。皆さ
んどうぞよろしくお願いします!

2008.08.20(水)

目下いま一番の愛読書、ツーリングマップル。地図がこれほど面白い
読み物だとは知らなかったよ。読み始めると気がつけば1時間2時間が
経過しているのさ。どこに行くのにもつねに持って行っている。用が有
る無しに関わらず、一日一回は必ずページを開く。ずっとまえ図書館に
行ったとき、隣の人が電車の全国版路線図を何時間も見ていてなんだこ
の人はと思ったけれど、きっとその人の頭には、路線と路線をたどって
つなげるめくるめくスペクタクルが展開されていたに違いない。地図を
見ていると推理小説を読むように頭の中に物語が描かれるんだ。こんな
ことは以前は一度もなかった。なにか興味あることが一つ増えると世界
を見る角度が一つ変わるのが面白い。バイクに興味を持てば、知った気
になってたいつもの通りにバイク屋がいっぱいあったのだと驚く。人と
人は同じモノを見ていても見え方がまったく違ったりするのが面白い。

2008.08.19(火)

ちょっと早めに仕事をきり上げ、883(パパサン)で江ノ島まで
ちょい乗りしてきた。横浜横須賀道路を朝比奈で降りる。ここは僕が小
学生時代に過ごした場所の近くだ。山の上の新興住宅地に引っ越した当
時、横横は通っておらずまだ家もまばらにしか建ってなくて空き地ばか
りだった。学校へ通うのに急な坂道を上り下りしなければならず、しか
も歩いて40分くらいかかるため辛かった。近所に小学生は住んでいな
かったから、学校から帰ると空き地にいたたくさんのバッタを虫取り網
で捕まえまくるか、一人で壁に向かってボールを投げ、ピッチング練習
を陽が暮れてボールが見えなくなるまでするしかなかった。壁にストラ
イクゾーンを書き、そのど真ん中に丸く印を付けて、その印めがけて全
力投球した。近所に家が建ちだして友達ができるまでの2年くらいの
間、ボールがど真ん中の印に当たったことは2.3回しかなかった。
朝比奈から鎌倉へ行くところに鎌倉霊園を通る小さな峠道のような道
がある。バイクでここを走ると気持ちいい。マイペースでゆっくりバイ
クの挙動を楽しみながら走っていると、後ろからレーシングスタイルの
スズキとKawasakiがマフラーを鳴らせて張り付き、煽るようにし
てパパサンを追い抜いていったが、さらに前にいたでっかいバスに阻ま
れ、追い抜けずいらいらしながらバスとの車間距離を50センチで走行
していた。
夜の鳥居の鎌倉から鎌倉海岸へ抜けると、ヘルメットの中に潮の馨り
が舞い込む。海岸線を走り真っ黒い海を横目に観ながら走る。バイクに
乗り始める以前から車で何度も来た道だ。「勝手にシンドバット」のよ
うに、夜の灯台の江ノ島が見えてくる。メットのシールドを開け、強い
潮風にあたる。月のない夜の海は波打ち際の白く砕けた波しか見えず、
あとは水平線の向こうまで吸い込まれそうな暗闇がとてつもなく大きな
口を開けている。黒い海の上にかかる長い橋を渡って江ノ島に入るとそ
こは「夏休みの終わり」だった。祭りの後のムードだだよう店を閉め始
めた観光商店街に、遊び足りない若い奴らが屯している。しらすご飯を
食べさせる店に入りたかったのだがちょうど終わったばかりだった。

2008.08.18(月)

土曜日の朝モトクロスへ行くとき最近気に入っているラジオ番組を毎
週聴いている。NHK FMでピーター・バラカンさんがやっている音楽番
組だ。アメリカ70年代のロックを中心にいろんな音楽をかけてゆく。
アーティストの紹介のみでよけいなことはほとんどしゃべらないのだが、
すごくいい気分になる番組だ。かかる音楽が僕の好みだからということ
ももちろんある。こういった番組のスタイルを久しぶりに聴いたため、
とても嬉しくなった。
僕が中学生の頃は洋楽を紹介するだけというFM番組がたくさん
あった。カセットテープの録音ボタンに指をかけ、曲がかかるのを今か
今かと待ち構えていたものだ。
僕は音楽マニアといわれる人にいい曲を紹介してもらうのが好きだ。
自分でいい曲を見つけ出すことよりも好きである。そんなに豪華な部屋
じゃないのにレコードプレーヤとアンプとスピーカだけが豪華でなぜか
レコードをたくさん持っているというような人の部屋で、これいいんだ
よとか言いながら聴かせてもらった曲のほうが「いい曲に出会った」と
いう感動が大きい。最近はずいぶんそういった機会も減ったけれども。
ピーター・バラカンさんの番組を聴いていると、むかし僕が人に聴かせ
てもらって感動した音楽体験の記憶が甦ってくる。そして、ロック、ポ
ピュラーミュージックという趣味の世界がとても奥深いことを再確認さ
せてくれる。売り上げだとか、流行ってるだとか、みんなが聴いてるか
らだとか、これが今一番新しいだとか、そういう音楽とのつきあい方を
自分もしていたところがあった。ポピューラーミュージックはどこかモ
トクロスレースに似ている。しかしポピュラーミュージックはレースと
全く同じではない。芸術的な側面、この間行った吉本隆明さんの講演で
吉本さんが言っていたような「自己表出と自己表出との出会い」があ
る。バンドスタイルミュージックを詩(歌詞ではなく)のように存在さ
せているアーティストが、そんなに目立たないけれども世界中にいっぱ
いいる。
ちなみに、ピーター・バラカンさんの番組のあとの時間にやっている
ゴンチチさんの番組もまた、いい曲ばかりかかるので大好きだ

2008.08.14(木)

星野ジャパンの残念な試合を見ながら、亀の水換えをした。ニオイガ
メという小さい亀を飼っている。2匹買ってきたのだが一匹はすぐに死
んでしまった。残りの一匹はそれでも特に寂しそうでもなく、いつも元
気いっぱいに泳いでいる。昼間は水底をあっちへ歩いたりこっちへ歩い
たり、たまに暇そうに上を向いて口を開けてあくびのような仕草をした
りしているが、夜の餌の時間になると小さい丸い目でこっちを向いて手
足をしゃかしゃか動かし餌をくれと一時間もアピールし続ける。背中の
甲羅に苔が生えていたので歯ブラシで取ってやった。苔を取っている
間、首と手足を甲羅に引っ込めてじっとしているが、隙を突き突然もが
いて逃げ出そうとする。
水槽は二つある。一つが亀の水槽で、もう一つが淡水魚の水槽。アベ
ニーパッファーという小さい淡水フグやコリドラス、白メダカ、トラン
スルーセントフィッシュ、オトシンクルス 色鮮やかなドジョウ、ヤマ
トヌマエビなどが居る。最初は一つの水槽に亀も魚達もみんな入れてい
たが、亀が大きくなってきてエビや魚達を食べそうになったので、もう
一つ新しい水槽を買って移した。フグは4年も生きている。寿命は2年
くらいと聞いていたからもうだいぶおじいちゃんのはず。最初は5匹
飼っていたが、ふてぶてしい態度の大きい奴とか、気の強いすばしこい
奴などは皆死んでしまい、一番気が小さくていつも水草の後ろに隠れ餌
の食べ残しを食べていた奴が生き残った。これは人生に例えられる教訓
的なことなのだろうか。僕は坊さんでも学者でもないからわからない。
でも奴は細く長く生きて、ライバルが居なくなった広々とした60セン
チ水槽の水草の間をぼんやりと泳いでいる。
 

2008.08.13(水)  

夏休みで閑散としているアトリエの近所をバイクで一回り。8月の昼
下がりの日差しは、先月よりもやや勢いが落ち、残暑の雰囲気。夏休
み中のクラブ活動に来たのか、汗をかいた高校生の男女がコンビニエン
スストア前の広場に集まっている。
スタッフは夏休みなので一人アトリエの鍵を開ける。自分の休みは、
ツーリングに行きたかったので夏休みの道の混雑を避け時期をずらして
取った。ミュージシャンだから別にいつ休んでもいいのだが、やっぱり
みんなが働いているときに働き、みんなが休んでいるときに休みたい。
今日曲ができてもできなくても、ギターを鳴らして歌ってみる。ピア
ノを触ってみる。イメージの湖の表面に、少しずつ張った薄い氷の欠片
のように曲の断片が浮かび上がり、いくつかを救い取った。欠片は明日
には溶けてなくなることも多いが、氷山のように大きく成長するかも知
れない。

2008.08.12(火) 

アトリエに着いてすぐにテレビをつけたら北島が泣いていた。ちょう
ど優勝をしたばかりでインタビューを受けていた。
いくつかの曲のアイデアを下書きしてみたが、手応えは小さかった。
今日の音楽のイメージの海は小魚ばかりという感じで、もう少し音楽を
聴いたりして誘いをかけてみたり、イメージにエサを与えたりして獲物
が大きくなるのを待つしかなさそうだった。
オグシオの試合を見たあと、コーエン兄弟の映画「ノーカントリー」
を観た。素晴らしいカット割り、センスのいい編集、裏をかき続けるス
トーリー、長く不気味な静寂、恐怖、諦観、出口のない世界。ひどいこ
とばかり起こる映画なのに面白く、救いのない結末なのにカタルシスが
ある、なかなか良い映画だった。

2008.08.11(月)  

オリンピック開会式を観た。最初はバイク雑誌を見ながらちらちらと
不真面目に見ていたのだけど、いつかバイク雑誌を置いてテレビに見
入ってた。キラキラビカビカしてて気高く力強くスポーティ。すげえき
れいだった。最後に鳥の巣の屋根を一周したおじさんの動きもかっこい
い。クリエイティブな表現がこれから中国からいっぱい出てきそうな勢
いを感じたよ。

村野四郎の体操詩集がむかし好きだった。詩を読んで、スポーツって
かっこええなあと思った。いまオリンピックを観て、勝敗の行方、それ
にまつわるいろんな物語も面白いけれど、なんといっても、ぎりぎりの
緊張感の中にある選手達の身体の動き、アクション、素顔の表情を観る
のが好きなんだ。そのかっこよさに、はっとさせられることがあるんだ。

朝からモトクロスコースへ行く。夏休みだからか、ひどい渋滞だ。い
つもの3倍の時間をかけてようやくコースにたどり着く。CR85R2
に乗る。シート角乗りでコーナーリングの練習、直線でスタンディン
グ、アクセル全開の練習。フープスの練習。できないんだけどラインの
先を読んで走りのリズムをつなげる練習。10時から17時までたっぷ
り走って、気がつくと前よりちょっといい感じで走れるようになって
る。下手なのは承知しているが、すこしましになってきたんじゃない
の、とオッサン調子に乗ったり。始めた頃は足がすぐにバテてスタン
ディングできなくなっていたのに、すこし持続するようになったし。足
の筋肉痛もましになっている。今日の調子を次まで忘れなければいいん
だけどな。

バイクは体感物理学だ。バイクを走らせて、曲がって、止まると、い
ろいろな力を感じることができる。普段は当たり前に働いていて意識す
ることのない、重力、加速力、ジャイロ効果、慣性力、遠心力、摩擦力
など。世界に働く力が意識にのぼる。その力と、自分の力、バイクの力
を、どうバランスを取って走るか。このカーブはどこに力を入れてどこ
の力を抜くか、どういう姿勢がちょうどいいのかみたいな、理屈っぽい
ことをあえて考えて走るのも面白いんだ。ニュートンが今生きていた
ら、バイクに乗っていたかもしれないぜ。

うごくものと書いて「動物」と読むけれど、音楽でもバイクでも「動
き」が好きなんだ。グルーヴィーな音楽に身をゆだねて「イエー!」と
なるとき、バイクに乗ってコーナーを曲がるとき、自分に働く力に自分
が出す力でこたえて、世界の力学と会話しているような、宇宙の挨拶の
言葉が聞こえたような面白さを感じるんだ。と同時に、グルーヴって
いったいなんなのだろうと思い始める。なんでグルーヴというものが存
在しているのか不思議なんだ。

グルーヴは拍子をとることじゃない。「いち、にい、さん、しい」
と、拍子をとってリズムが合う合わないというのは、グルーヴじゃない
のさ。グルーヴは音楽でダンスするための言葉なんじゃなかろうか。
「バイクに乗せてもらうんじゃなくて、自分でバイクを操って乗りこな
すのが、バイクの面白さだ」ってバイク乗りの人がよく言うんだが、こ
のバイクという言葉をそのままリズムとか、グルーヴとか、ロックン
ロールとかに言い換えていいんじゃないかと思うのさ。



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