DIARY

ボラーレ!その2

 "VOLARE!"をカバーするにあたって日本語詞を自分で書いた。
VOLAREは「飛んで」みたいな意味。
この曲はジプシーキングスを始め、
いろんなアーティストにカバーされたスタンダード曲だけど、
歌詞の意味はとても抽象的で不思議だ。
気がついたら自分は飛んでいて、
どこまでもどこまでも舞い上っていく・・・、
っていうようなことだけを繰り返し歌っている。
なんで飛んでいるのかとか、どこから飛び立ったのかとか
飛んでいるのはどういう人物なのかということは
説明されない。
飛べるようになる夢を人はごくたまに見るけれど、
そのときのことを歌っているようにも解釈できる。
説明のなさ、物語のなさがこの曲の魅力だ。

だからこの曲は、
カバーする歌手の個性によっていろいろ歌詞の解釈が変わってきて面白い。
名前は忘れちゃったけれど、
アメリカで最初にヒットしたバージョンの歌手が歌うと、
恋をして宙を舞っている男の歌のように聴こえるし、
アレックス・チルトンが歌うと、
酒か薬物をやってぶっ飛んでいる歌のようにも聴こえるし、
ジプシーキングスが歌うと、
旅芸人が場末の酒場で踊って飛んでいるように聴こえる。

「ボラーレ!」を僕が日本語に訳するときに注意したのは、
なるべくもとの曲の意味を変えないようにすること。
でもこの曲は一番と二番の歌詞をひたすら繰り返し歌っているだけの曲だから、
そのままだと聴く人が飽きてしまうので、少しだけ色を付けた。

ぼくは以前「キングス・ロード」というカバーアルバムを作ったときも、
英語曲のほぼ全曲を自分で日本語詞を書いて歌った。
スタンダードになるような曲は歌詞の内容にも普遍的な魅力があって、
なるべくその歌詞の内容を変えないで意訳するというやり方をしたかった。

なんで日本語に訳して歌ったのかというと、
意味をちょっとでも普段慣れ親しんでいる言葉で感じながら歌いたかったし、
曲を聴く皆さんにオリジナルの歌詞の良さを知ってほしかったから。
そしてなによりも、英語の発音が得意じゃなかったからだね。








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