DIARY

距離の芸術

カフェライブツアー前半戦が終了。

山を走る高速道路の先に大きくひらけた町が見え、
それが初めて来た石巻の町だった。
ライブ会場「ラ・ストラーダ」は市役所の近くの商店街にあった。
元は海の近くにあった店に津波で漁船が突っ込んできた。
店を移転し、その商店街で営業を再開したのだそうだ。
初めての町だったのでお客さんが来るがどうか心配だったが、
ライブが始まると満員御礼。
石巻の人たちは歓声で迎えてくれた。
漁師の町だからか、
威勢のいいのお客さんで思わず僕も舞い上がった。
最後の曲で楽器トラブルでノイズが出るようになったため、
すべてのPAの電気を切ってワイゼンボーンと歌を生で演奏した。
お客さんはそれでも合唱してくれて、
キャンプファイヤーのような楽しいひとときとなった。

郡山のカフェ「ラストワルツ」は、
僕が高校生の頃よくうろうろしていた郡山駅前の店が建ち並ぶ路地にあった。
当時こんな店があったらやはり間違いなく通っただろう。
あの頃郡山にはジャズ喫茶やブルース喫茶、
そしてロンドンのパンク・ニューウェーブをプッシュするレコード屋さん、
小さなライブハウスなどがあった。
僕は音楽にいよいよ本格的にのめり込み、
少ない友人たちと毎日のようにそういう場所へ通っていた。
東北新幹線が開通したばかりで、
民放テレビ局も一気に増え、
郡山にいろんな東京的な文化が一気に流れ込み始めた時期だったような気がする。

大人になって郡山で歌うと、
自然に気持ちが高まる。
ややもすると高まり過ぎるので少し冷静に歌おうとしたくらいだ。
やっぱり自分が少年時代に暮らした土地は特別なのだ。
自分が歳を取るほどにそういう感覚が強くなった。
いわゆるノスタルジアというやつだ。
「ラストワルツ」のスタッフや郡山の友人のおかげでお客さんは満員御礼。
一曲目から最後の曲までお客さんと大いに盛り上がって最高のライブになった。
みんなどうもありがとう!

音楽(歌)は時間と場所の芸術だ。
それは距離の芸術とも言えるかもしれない。
時間が経過するほどに、
場所を移動して距離が増えるほどに、
音楽(歌)にいろんな色や匂いや味が充填されて変化する。
そんな音楽をいつまでも奏でていたいものだ。





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