DIARY

偉大なギタリスト。ありがとう。

先日この日記にも素晴らしかったライブについて書いたボブ・ブロズマンさんが、
アメリカに帰国直後、心臓発作で亡くなった。
まったく信じられないことで、
途方にくれるしかないが本当のことらしい。

先日の曙橋バックインタウンでの打田十紀夫さんとのジョイントライブが、
彼のライブ初体験だった。
リゾネーターギターを本格的に弾き始めた2年ほど前から、
僕にとって彼は本当に久しぶりに現れた音楽のスターだった。
彼の教則DVDはほぼ全部買いそろえた。
教則ビデオを見ているうちに、
その超絶なギターテクニックはもちろんのこと、
人柄や志を窺い知って人として尊敬した。
彼が来日すると知ってすぐにチケットを購入し、
その日を心待ちにしてワクワクしていた。
誰かの音楽ライブでこんなに胸をときめかせたのは、
本当に久しぶりのことだった。

ライブは期待以上に素晴らしかった。
実にソウルフルで、
ギターはやはり超人的だったし、
リズムはすごいグルーヴだったし、
なにより彼はエンターテイナー、ショウマンで、
片言の日本語で気の利いた冗談を言うなど、
ユーモアのセンスがあって、
ライブの後半ではシャイな東京の大人のお客さんを合唱させてしまうなど、
圧巻の大満足なライブだった。

ライブ終了後、
客席でCDを買ったお客さんにサインをしに現れたボブを後に、
僕はいったんお店を出て、
小雨降る靖国通りをしばらく歩いたのだが、
信号三つ分くらい歩いたところで急に思い直してまた店に走って戻り、
息を切らして彼のCDを何枚か買った。
そして憧れの彼に会ってサインをもらってほんの少しだけ話した。
あなたの今日のライブは本当に素晴らしかっただの、
最近僕もリゾネーターギターを始め、
あなたのDVDを見て勉強しているなど、
舞い上がって気の利いたことはなにも言えなかったが、
彼は「ありがとう」と言ってサインをしてくれた。
打田十紀夫さんが、
僕がボブの教則ビデオをほとんど揃えていることを伝えると、
「へええ。ありがとう。」と興味なさそうに返事をした。
それでも僕は有頂天だった。
次に彼に会うときにはもっと食い込んだ話をしようと思った。
しかしもう次に会うことができなくなってしまったのだ。
なんということだ。

あの時信号のところでくるっと方向転換してまた店に戻ってよかった。
ミュージシャンにサインをもらいに走ったのは、
考えてみると生まれて初めてのことだったが、
サインをもらってよかった。
そしてあの時ほんの一瞬だけどボブと話せてよかった。

さらばボブ。偉大なギタリスト。ありがとう。
音楽を志して30年以上になるちょっと偏屈な男を、
こんなにときめかせたのはあなただけです。
やすらかに。







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