DIARY

プラネタリウム

このあいだ実家に帰ったとき、
おふくろと、
むかし渋谷駅前の東急文化会館にあったプラネタリウムに一緒に行ったことを話した。

 

僕が小学生の頃だったと思う。
天体ショーが始まってすぐ、
おふくろは寝てしまったらしい。
そう言っておふくろは笑った。

 

ぼくはおぼろげにそのとき見た景色を覚えている。
暗く青い宇宙空間の色と、
天空に針であけたような無数の小さな穴から漏れる白い光の星々。
ぼくはワクワクしていた。

 

小学生の頃、
家には全20巻の分厚い百科事典があって、
その中の宇宙天体観測の巻だけは何度も読み返した。
当時はハッブル宇宙望遠鏡も無い時代だから、
アンドロメダ銀河だってぼやけて写真に写っていた。
不思議な形をした衝突銀河や電波銀河、
ブラックホールの想像図などを、
飽きもせず、何度も見ていた。

その姿をおふくろは見ていて、
渋谷に一緒に買い物に行ったときに、
ぼくをプラネタリウムに誘ったのかもしれない。

 

今でも宇宙の新しい発見があるとワクワクする。

つい先日、

地球から4光年という非常に近い距離に、

地球によく似た惑星が発見されたときもときめいた。

 

ぼくの宮沢賢治好きは、
おそらくその頃のプラネタリウムに入ったときの嬉しさと、
繋がっている気がする。

 

今も日課の夜のジョギングの時、

なにげなく宇宙を見上げてぼんやりしてしまうのは、

あのときおふくろとプラネタリウムに入ったからなのではないか。

 

 

 

 


風の子

今日の帰宅途中、
東京の夜の風がもの凄く冷たくて手がかじかんだ。

子供の頃、冬になると僕の手の甲は、
いつもひどい霜焼け、アカギレになっていた。
膝小僧には虹色にテカる赤チンが常に塗られていた。
真冬でも毎日半ズボンで泥遊びや水遊びや草野球をやって、
手袋はしたことがなかった。
毎日風呂に入った後、
ぬるま湯を入れた洗面器に数分間手を浸けて硬くなった皮膚をふやかし、
保湿剤を塗ると一時的に霜焼けがすっかり治るのだが、
次の日の午前中にはもう元の状態に戻っていて、
皮膚がひび割れて血が滲んだ。

冬でも薄着だったので皮膚が鍛えられたのか、
小学生時代はほとんど風邪をひいて学校を休むということがなかった。
インフルエンザでクラスの子供達がほとんど学校を休んでも、
僕ともう二人くらいの遊んでばかりの小僧達は、
いつもインフルエンザにかからなかった。

今晩の手の冷たさで、
子供の頃の横浜の寒さをふと思い出したんだ。





月明かりの小道

今日の東京はキリキリと肌に食い込むような寒さだった。
冷たいグレーの町をどこまでも歩いて歌詞を考えた。

ぼくが高校生時代、福島県の郡山市に住んでいた頃は、
冬は昼間でも0度なんて日はざらだったし、
雪が2.30センチ積もるくらいに降っても、
自転車で平気で高校に1時間くらいかけて登校していた。
信号で自転車が止まるとタイヤが凍結して動かなくなっちゃってさ。
あの頃の寒さに比べたら今の東京の寒さなんかヘッチャラのはずなのに、
そうじゃないんだよな。
東京に出てきて最初の冬は、
なんてここは暖かいのだろうと思ったのに、
2年目からはもう寒くてブルブル震えていた。

あと、東京に出てきて一年ぶりに当時に実家の郡山に夜帰ったら、
あまりにも家の近所が暗くてびっくりしてさ。
道に全然街灯がついてなかったんだ。
高校時代、夜先輩の家で遊んだ後、
月明かり星明かりで家に帰ってたってことに、
実家を離れて暮らして初めて気がついた。
人はいつの間にか便利や不便に慣れてしまってるんだね。






タイムマシン

渋谷クアトロのライブは暑かった!熱かった!
今回の「好運なツアー」の一つずつが鮮明な体験になってる。
皆さん本当にどうもありがとう。
月並みなその言葉じゃ足らな過ぎる。

そして明日の音霊の弾き語りのためのリハーサル。
曲目をどうするか迷って二転三転し、やっと決まった。

会場である逗子はぼくが小学生時代を過ごした横浜市金沢区のすぐ近く。
当時釣りと水泳が好きで、
よく友達や家族と京浜急行に乗って逗子海岸に泳ぎに行った。
音楽のライブが楽しめる場所がそんなところにできるとは思いもよらなかった。
まして自分がそこでギターを弾いて歌うなんて。
当時のぼくがタイムマシンに乗ってやってきて、
今の姿を見たらひっくり返るだろう。
だって小学生の頃はまったく音楽に興味がなく、
もちろん勉強にもまったく興味はないしやったこともなく、
ソフトボールとか釣りとか学校の裏の山道を冒険したりとか、
遊びに夢中でいつも膝小僧を擦りむいて赤チンを塗って、
一年中陽に焼けていて真っ黒な子供だったから。

明日は頭の片隅にすこしそんなことを思い浮かべつつ、
歌をうたってみようか。





「ローラーシューズ」と「セーフ!」

靴底にローラーが付いているスニーカーを履いた小学生の女の子が、
サーッと滑って歩いてくる。
何年か前からよく見かけるあの靴、
「ローラーシューズ」って言うんだね。
あれはなんで女の子ばっかり履いているんだろう。
浅田真央ちゃんの影響があるんだろうか。

日本のどこかの小学生の女の子が最初にあれを履いて、
それを真似した女の子同士が一緒に学校から帰って滑って遊んで、
それを見ていた隣の小学校の女の子がなんとなく真似して同じ靴を買って、
というふうに、なんとなく広まっていったのかな。

子供達がなんとなく遊びを真似をして流行っていく感じって面白い。
ぼくは小学生のあるとき、
授業のチャイムが鳴ると同時に椅子に座って、
「セーフ!」とつぶやくのを友達同士で面白がってやり始めた。
するとそれが一ヶ月後には学級中に広まり、
半年後には学年中に「セーフ!」が広まったんだな。
そのうち、チャイムが鳴ると同時に学校の校舎中から、
「セーフ!」と聞こえるようになったので、
うるさいってことで、ある日先生達によって、
「セーフ!」は禁止されてしまった。
それでも小声で先生に見つからないように、
「セーフ!」とつぶやいている友達がいたりして、
それを見て笑いを堪えるのが大変だったんだよな。




2009.10.16(金) 

木暮と連絡をとったら、今度の日曜日に郡山の開成山公園の野外ステージでイベン
トライブに出演するという。ぼくが高校の時、大学生の先輩と組んだバンドでたまに
ライブをやっていた場所だ。そしてぼくが高校時代によく出ていたライブハウスもそ
のイベントに参加しているという。その店のニコ(ベルベットアンダーグラウンド)
みたいなママと、ストーンズをバンドで歌わせたらばっちりだったマスターも変わっ
ていないらしくて、何十年かぶりにその人たちのことが目に浮かんで、懐かしくなっ
てしまった。
オリジナル・ラヴの初代ドラマーの秋山さんは、家業を継いで郡山に住んでいてい
まも音楽活動をやっている。この間久しぶりに楽しいメールのやり取りをしたばかり
だ。ぼくの実家は何年か前に郡山から引っ越しているので、最近は郡山へはあまり行
かなくなってしまったのだけれど、せっかくバイクに乗るようになったし、そのうち
一人でふらっと出かけてみようかと思っているんだけどな。

2009.8.24(月)

オブラートに包んだ表現って言い方が以前あったのだけど最近はあまり使われな
くなって、それはオブラートに包まれたお菓子がここのところ見られなくなったか
らだろうと思われるのだけどさ。この間久しぶりにそのオブラートで包まれたお菓
子を食べる機会があった。久しぶりにお目にかかったオブラートは油紙みたいで食
べられるものに見えなくて、でもこれはどう見てもかつてよく見たオブラートだろ
うと思って、勇気を出して口に入れたら、やっぱりオブラートだった。ただそれだ
けのことなのだけどさ。ぼくが子供の頃にはオブラートで包んだお菓子がたくさん
あったのだけど、いまオブラート菓子を食べてみて、よくこんなそっけない紙でお
菓子を包んでいたものだなと、当時の感覚が不思議に思える。オブラートで包んだ
のは、菓子のまわりについている砂糖などの粉末が食べる時にこぼれたりして服や
床を汚さないようにという、お客への配慮のためだったのだろうか。そんな感じが
なんか懐かしくてさ。

映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」を観た。デヴィッド・フィンチャー
とブラッド・ピットのコンビがこの題材を撮る意外性、違和感がどうしても拭えな
かったな。惜しい感じの映画。

2009.5.29(金) 

雨のなかバスに乗ってアトリエに来た。バス停近くの歩道を二十人くらいの
幼稚園児達が、赤、青、黄色の傘をさして歩いていた。それが今日の通勤途中
における一番印象に残る眺めだな。
このあいだレッド・カーテンの頃のテープを聴いていて、ひとつ嬉しく思っ
たことは、当時のメンバー、小里君、村山君、秋山さんが、ぼくの音楽をよく
理解してくれていたんだな、ということが分かったことだ。東京に出てきてす
ぐに、自分の音楽を理解してくれる友達に出会ってバンドを組めるというのは、
それはすげえラッキーなことだぜって木暮に言われて、その通りだなと思った。
ぼくは自分の新しい曲をバンドで練習するときは、デモテープを事前に作って
メンバーに渡していたのだが、小里君、村山君、秋山さんは、いつもぼくのデ
モテープをちゃんと聴きこんでその曲に共感しようとしてくれた。当時のぼく
は、いかに人と違うアンサンブルをするかということに熱中していたので、演
奏者が自然に演奏するようなフレーズではない、簡単そうに聞こえるけれども
やってみるとややこしいというフレーズが多かったのだが、彼らはいつも一生
懸命練習してくれた。そういうことが当時の演奏をいま聴くと伝わってきて、
嬉しい気持ちになった。

2009.4.1(水) 

「アーグ・ミュージク・ウォー」というコンピレーションアルバムはポリス
のドラマー、スチュワート・コープランドの兄、マイルス・コープランドがプ
ロデュースした、80年代初頭のニューウェーブバンドを集めて行ったライブ
を収録した2枚組のアルバムだ。中学3年の時、ポリスやディーヴォのライブ
が入っているからという理由で買ったのだが、このアルバムに参加している不
思議なバンド達が醸し出す雰囲気にどんどん惹かれていった。アルバムのジャ
ケに載っているアーティスト写真を見ながら、ロンドンとアメリカのアンダー
グラウンドシーンで起こっているムーブメントに心をときめかせた。
そして日本でも、P-MODELやプラスティックス、ヒカシューといったバンド
がたまにテレビに出始めていた。プラスティックスを初めてテレビで見たとき
はびっくりした。ドラムがいなくて代わりにリズムボックス担当の人がいて、
くるくる回って変な動きをしながらギターを弾いて、全員髪の毛が逆立ってい
て「コピー、コピー、コピー」と連呼していて、なんかすごいかっこいいと思
った。ニューウェーブってもしかしたらスゲエんじゃないか、パンクっていっ
たいなんなのかをいろいろ知りたくなった。
しかし神戸から引っ越した当時、郡山市には東北新幹線が通っておらず、F
M ラジオ局が NHKFM一局、AMラジオ局も一局、テレビは民放局が2局しかな
かった。書店は大きめなのが一店あったが、パンク、ニューウェーブの情報が
載っている雑誌は入ってきていなかった。輸入レコード屋は無く、日本盤ばか
りを売っている小さな町のレコード屋さんが2、3軒あるだけだった。つまり
パンク、ニューウェーブに関する情報、音源がまったく手に入らなかった。そ
れに比べ、今はインターネットという超巨大な情報端末がある。あの頃と比べ
るとすごいギャップだな。
だから「アーグ・ミュージック・ウォー」を聴き込んで、誇大想像するしか
なかった。XTCやペレ・ウブ、エコー・アンド・ザ・バニーメン、クランプス、
ギャング・オブ・フォー、オインゴ・ボインゴ、クラウス・ノミ、ウォール・
オブ・ヴードゥー、アステレコ・スピリッツ80's、フレッシュ・トーンズ、ジ
ュールス・ホランドなど、どのアーティストもかっこ良くて、各アーティスト
のアルバムを一枚ずつ欲しくてしょうがなかった。今も、自分がかっこいいと
思う音楽の基準はここにあるような気がする。このアルバムを聴いて自分は高
校生になったら絶対ニューウェーブバンドをやるんだと心に決めたんだな。
ぼくがここのところずっと自分の中学生の頃をこのVOICEに書き続けている
のは、この「アーグ・ミュージック・ウォー」のアルバムのライブ映像を最近
初めて観たからである。この映像が手に入りやすくなったことは何年も前から
知っていたが、とても思い入れのあるアルバムだし、自分の夢が壊れるのが嫌
な感じがして、観る気がしなかった。しかし、実際に観てみて、自分が子供の
頃に想像した通り、めちゃくちゃかっこいいライブ映像だったので大興奮して
しまった。「アーグ・ミュージック・ウォー」のことが書きたくて、そうこう
しているうちに、つらつらといろいろ中学時代のことを思い出してしまったん
だな。

 


2008.10.08(水)

木暮がアトリエに来た。酒も飲まずに4時間以上、いい年こいてオヤ
ジどものおしゃべりは続いた。久しぶりに音楽の話をいっぱいした。高
校時代も木暮ともう一人の親友と僕はよく喫茶店で音楽やその他のこと
について長いことしゃべった。卒業後三人とも福島県から東京に出てき
た。木暮と僕はミュージシャンになってもう一人の親友は実家に戻って
仕事に就いた。
ついこのあいだもう一人の親友の3回忌があった。昔の仲間が集まっ
てご飯を食べた。彼は30を過ぎて空手に熱心に通いだした。僕がボク
シングジムに行きだしたのも彼の影響が無かったわけではない。幼稚園
の園長でいつも僕の曲をほめてくれる優しい奴だった。
木暮と渋谷のラママというライブハウスで初めて自分たちで企画した
ライブをやることになったのも、茶店で木暮とだべっていて出たアイデ
アから始まった。オリジナル曲を既にいっぱい書いていた僕らは、東京
のライブハウスでライブをやるのが夢だった。デモテープをいろんなラ
イブハウスに持って行っては断られ続けて、ブッキングは駄目だから仕
方なく貸し切りでラママでライブをやったんだよな。木暮としゃべると
青春がまだ続いている気がするな。

 



calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

selected entries

categories

archives

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM